今では「少年アシベ(ゴマちゃん)」や「気になる二人」などで4コマ漫画作家として定評があるが、もともと森下裕美はガロ系の漫画家だった。
この作品は商業誌デビュー間も無い頃に週刊ヤングジャンプに連載された作品をまとめたものです。
全24話で1話ずつ読みきりの形式になっています。主人公は小林薫というさえない中年のおじさん。
このおじさんを軸に毎回違うシチュエーションでお話が構成されています。あるときは漫画家のアシスタントだったり、サラリーマンだったり、時計屋だったり、先生だったりします。共通するのは、奥さんは出てこない(亡くなっていたり独身だったりする)ことと、ちょっとノスタルジックで心の琴線に触れる切ない話が多いことです。
こういった佳作と呼べる作品を掲載する漫画雑誌がほとんど無くなって来たことは、なんとも残念なことです。
本の状態は小口に経年のシミがあり並品です。
ちなみに全3巻に載り切らなかったお話4話分が『あっにてる』(ヤングジャンプコミックスワイド版)に掲載されております。最終話は美人のモデルのおねーちゃんと幸福な結婚をします。
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